「三重&和歌山海域の大型キハダキャスティング」佐野ヒロム

2D3A2990.jpg

DAIWAフィールドテスターの佐野ヒロムです。

 自分はマグロ類、ヒラマサの大型を求めていろいろな場所へ遠征を繰り返しているのですが、なかでも国内のキハダにおいて、チャレンジのし甲斐があり、大型キャッチの可能性が高いのが三重県から和歌山にかけてのエリアだと思います。これまで相模湾をホームグラウンドとしてずっとやってきて、良いサイズもキャッチした経験がありますが、三重、和歌山エリアではキハダの魚影が濃いこと、さらに良いサイズがいるということ、高プレッシャーの相模湾で培った技術を試したいという想いから、数年前からこの海域にチャレンジし始めました。そして三重県尾鷲からの初出船で良い釣果を得ることができ、大型が身近であることを感じたことから、毎年、春から秋のシーズンに複数回の釣行予定を組み、トライし続けています。ちなみにこの海域で、昨年に自身の記録となる58㎏を釣り上げることができました。

 そして今年度も、4月中旬に釣行をスタート。この時は残念ながら状況が悪く不発に終わりました。そして7月上旬に再チャレンジしました。

 1日目は、沖のパヤオを目指しました。パヤオでは多くの遊漁船が探っており、ハイプレッシャーな状況。パヤオの近く、パヤオから少し離れた場所と、ともに型の良いキハダの姿が確認できましたが、近づくとすぐに群れが散ってしまう感じです。潮の透明度もかなり高く、帰港後にこの海域について調べてみると、パヤオエリアは、黒潮に乗っかっているような状況でした。

 そこで船長とともに翌日の釣行エリアを話し合い、「もしかしたら岸よりの潮目に活性の高いキハダがいるのではないか?」という意見から、翌日はパヤオに行かずに岸よりを南下しながらキハダを探していくことにしました。

 結果、その予測が見事当たりました。

ところどころで鳥を引き連れているキハダの群れが見られ、鳥の低空飛行やキハダの跳ねを見つけて船で近づくと、一投目は間に合うような状況。船は我々だけであったため、キハダの跳ねた場所では、その後の数投はソナーで反応を拾えて探れる感じでした。そして見事、自分の小口径ポッパーにキハダが飛びつきフッキングに持ち込めました。

---キハダのキャッチに重要なこと---

 キハダのヒットに大切なのは、キハダの動き、鳥の動きをよく見ることです。キハダの進行の先に投げて、しっかりとサミングしてプラグを着水させ、すぐに誘いを入れる。キハダの移動距離を読むことが大切です。またキハダが溜まっているエリアがあれば、その向こう側にルアーを着水させて攻めていく。魚の反応が出ているエリアが10mほどのエリアであれば、向こう側から攻めれば10m探れるが、真ん中に落としたら5mほどしか探れない。手前では、1mほどとなるからです。

ちなみに今回のヒットは、キハダが跳ねて、その先のドンピシャの位置にプラグを着水させたのですが、同船のアングラーとラインクロスしてしまった。この時、チャンスと思ったので、その同船アングラーに「誘い続けてください!」と声を掛け、その間に自分のプラグは沈ませ気味に動かしましたが、あちらが回収してくれました。すでに自分のプラグはキハダが跳ねたゾーンから外れていたのですが、下にはまだキハダがいると思い、途中から誘い出しを始めたところ、そこでバイトしてきました。

ヒットした個体はファーストランで60mほどとよく走りましたが、スムーズに作動するドラグでプレッシャーを掛けていきました。ドラグはがちがちでなく、走ることを想定して7㎏ほどの設定です。そこからリールのパワーを活かしながら慎重にファイトし、無事キャッチへと繋げられました。サイズは、満足できる45㎏でした。

使用していたのは20 SALTIGA18000番のハイギアモデル。パワーファイトができるように、SLPワークスの95㎜のハンドルを装着したものです。これにPE8号を巻き、170lbのリーダーを装着していました。

ちなみに三重、和歌山方面に釣行する際、私は50㎏、60㎏、70㎏、それ以上のクラスを想定し、メインはPE8号タックル。食いが悪い時にはリーダーを170lbから140lbに落とす時もあります。また20 SALTIGA14000PE6号、リーダー130lbのタックルも用意します。こちらはキハダの食いが悪く少しでも飛距離を出すことが必要な時に使用します。小さいベイトを捕食しており160㎜などの小さ目のプラグを投げたいときにはPE5号タックルを使用することもあります。相模湾では、このような時は4号タックルを使用することもありますが、三重、和歌山エリアにおいては40㎏、50㎏クラスが食ってくることを想定して、最低でも5号にしています。

大型魚相手、大型キハダゲームにおいて、タックルのバランスが取れていることは非常に大切です。そしてどれも信頼できる強さがあり、アングラーをサポートしてくれることが重要になります。ここ数年の釣りで、僕のキャスティングゲームの強い味方となっている1つが、開発の段階から使ってきているスピニングリール、20 SALTIGAといえます。

リールに自分が求めているのは、巻き心地が軽くスムーズ、魚の抵抗にも負けないパワー、そして強くスムーズなドラグ、キャスト時のトラブルの無さです。中でも自分の大物釣りで重要なのが、タフさです。巻けるパワーはもちろんのこと、大型魚と対峙した後、次の釣行でも問題なく使い続けられる強さも必要です。これらは開発の段階で、意見を出させてもらいました。

完成した20 SALTIGAは、モノコックボディーによる、より大型のギアの収納とボディーのネジレが無いことで、巻き上げパワーが非常に強い。そのパワーはこれまで使い続け、多くの大型魚を相手にしてきましたが、まだまだ更なる大型魚と対峙できる余裕を感じます。今回のキハダゲームでも、キハダが走り切った後の巻き上げ、さらに船べり近くに寄った時の最後の寄せで、その性能をきちんと発揮してくれました。2年半使い続け、その間にギアのトラブルはゼロ。あえてメンテナンスに出さずに、乗船後の水洗いだけで使い続けていますが問題はありません。これって凄いことです。

三重、和歌山方面のキハダは、まだまだシーズン。さらに相模湾キハダもあります。自身の記録更新を狙って、できる限りトライしていきたいと思います。また、今回の釣行の模様はYouTubeチャンネル「DAIWA SALT WATER FISHING」で公開予定なのでお楽しみに。

2D3A2799.JPG2D3A2971.JPG

PREV

伊豆南沖キハダキャスティング「SALTIGA ポップ★スター160F スプラッシュトビウオ」 DAIWA STAFF 梶浦

NEXT

「カーボンハンドル開発秘話」