Ultimate 7月28日臨時号 【藤田京弥B.A.S.S.オープン参戦記】

Vol.4 B.A.S.S.オープン・ノーザン地区第2戦/オナイダレイク編

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ノーザン地区第2戦の舞台となったオナイダレイクは、スモールマウスバスが優勢種のフィールドであり、今期ノーザン地区で唯一、ガーミンに代表されるライブソナーの威力が最大化される試合。つまり藤田プロにとっては決して外すことが許されない一戦だった

アメリカの地を踏んでから

わずか4ヵ月後の現在地

 既報のとおり、779日(米現地時間)の日程で開催されたB.A.S.S.オープン・ノーザン地区第2戦において、藤田京弥プロは第1戦に続きまたしても好成績を収め、全3戦が開催される同地区の年間ランキングを10位から3位へ引き上げた。残り1戦、このポジションをキープすれば、オープン参戦初年度でのエリート出場権獲得となるわけだが、藤田プロの初渡米が今年の3月だったことを考えれば、正確には「参戦初年度」どころか「初渡米からわずか半年」で、歴史と権威あるB.A.S.S.のトップカテゴリーへ駆け上がることになる。99日(もしくは10日)のノーザン最終戦・チェサピーク湾で"そのとき"は訪れるだろう。このあたりは『Basser』最新号に詳しい。

釣欲にブレーキをかけない戦いぶり

 藤田プロはオナイダ戦を1日目2位でスタートし、16位でフィニッシュした。初優勝も充分にあり得たのだが、今回の原稿では「失速」の要因について少しだけ掘り下げてみたい。藤田プロのJBトップ50における勝ちパターンは"先行逃げ切り"だった。1日目に飛び出したあと、2日目以降、後続をさらに突き放して圧勝したり、リードを守りきって勝ったり、時に逆転負けを喫したりと、結果はその時々だが、とにかく「1日目の強さ」と「2日目以降の失速」がセットで印象に残る。

 記憶に新しい今春のJBトップ501戦・遠賀川は、1日目7kgオーバーという大逃げが見事に決まった典型的な試合だったが、その戦いぶりに密着したYouTube動画「京弥のターン」には、逃げの鮮やかさとともに、2日目以降の同プロの失速の原因もまた鮮明に描き出されていた。魚の動きを見失ったり、ミスをしたり、意識が守りに入ってしまったりといったネガな要因ではない。失速のもっとも大きな原因は、言ってしまえばアクセルの踏み込みすぎである。前周の自分を超えるラップタイムを叩き出したい。その可能性があるエリアやテクニックを試したい。レコードウエイトで勝ちたい。要は、「もっとでかい魚を、もっとたくさん釣りたい」のが藤田京弥の"アングラーとしての本質"であり、コンペティターとしての若さと表裏一体の"勝ち切る強さ"でもあるように思う。

 時に裏目となることもある"アクセルべた踏み"だが、ではハマったらどうなるのか。JBの戦歴からも好例をいくらでも挙げることができるが、つい最近でいえば『ルアーマガジン』主催の2022陸王予選・VS.川村光大郎プロ戦だろう。その模様が掲載されている最新号が発売されたばかりなので、ここでは内容にいっさい触れないが、自身の最高速度もポテンシャルも未だ把握しきれていない藤田京弥だからこそ、観る側の我々の夢と期待感も果てしなく膨らむ。明日729日(金)~31日(日)の日程で開催されるJBトップ50北浦戦でも、他のDAIWAプロスタッフとともにまた見せ場を作ってくれるはずだ。

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ノーザン地区で2戦を終えて年間ランキング3位に着けた藤田プロ。エリート出場権獲得(各地区年間3位)を射程に収めた。9月にチェサピーク湾で開催される第3戦で10位以内に入れば、「B.A.S.S.エリートプロ・藤田京弥」が誕生することになるだろう。20位でもほぼ当確だが、ポイント差が詰まっている暫定上位陣との兼ね合いにもなってくる。なお、藤田プロの次戦は、明日7月29日(金)から茨城県・北浦で開催されるJBトップ50第3戦だ