Ultimate 2月14日号

DAISUKE Kita interview

北 大祐

「今シーズンこそ"わずかなズレ"を修正する」

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 今期B.A.S.S.オープン開幕戦のレイク・オキチョビを136位(219名中)で終えた北 大祐だが、彼が目をつけていたエリアは試合で50艇以上のボートが集結する一大コミュニティーホールと化した。そして、その50名の選手のなかには、この試合を3日間15尾計90lb.オーバー(≒40kg1尾の平均2700g)でぶっちぎったスコット・マーチンの姿もあった。

30mも離れていなかったので、やっていることは丸見えでした。スコット・マーチンがねらっていたのは、水深3ft.(≒0.9m)の産卵床にいる大型のメスで、リグはテキサス。水深は浅いのですが、オキチョビの水はタンニンウォーターやブラキッシュウォーターと呼ばれる茶褐色で、コーヒーやコーラのように黒い色がついているので水中が見えない。そこでスコット・マーチンは、シャローベッドのバスをライブシューティングしていました」

 このスコット・マーチンのねらいや釣り方が特殊だったかといえば、そんなことはまったくない。むしろこの時期のオキチョビで試合があれば、誰もが実践するパターンと言っていい。今大会も例外ではなかったが、そのなかでスコット・マーチンは、2位に20lb.(≒9kg)以上もの大差をつけて圧勝した。北は、その釣りっぷりを目の当たりにした。

「大枠では外していないけれど、最後の最後で"わずかなズレ"を修正しきれない。オープン参戦初年度から引きずっている課題を、この試合ではモロに露呈したかたちになってしまいました。プラや試合当日の条件から、魚は追えている(エリアやタイミングは合っている)のに、食わせきれない。具体的にいえば、プレッシャーがかかって食わせ方が変化する"試合中の魚"にアジャストできていないんです」

 続けて北は、「プレッシャーがかかった魚へのアジャストという点では、JBでいえばトップ50よりもマスターズで求められるモノにより近い」と言った。少人数制で開催フィールドも広いことが多いトップ50に対して、マスターズは出場選手数が多く、その割に手狭なフィールドで開催されることも珍しくない。"食わせの技術"だけに限っていえば、マスターズのトップ層は平均的なトップ50選手より上かもしれない。そんな高度な技術を求められる状況が、琵琶湖の3倍近い面積のオキチョビ湖上でくり広げられていたのである。219名のうち約50名が大きな的から小さな的へ絞り込み、そのド真ん中を射抜く精度を実現したスコット・マーチンが圧勝した。図式としては単純だが、北が言うところの"わずかなズレ"は生来、神経質なフロリダ種の気難しさと相まってオキチョビ戦の難易度を何倍にも跳ね上げたのである。

「プレッシャーがかかったときに魚の状態がどう変化するか、食わせのツボがどう変わるかは、試合が開催されるフィールドごとに試合で経験を積まないと見えてこないのかもしれません。だから無理、というのではありません。僕は試合に出ていますから、貴重な経験を重ねることができている。"わずかなズレ"を修正して、今シーズンこそピントを合わせる。それが今年の目標です。開幕戦からハズしましたが(苦笑)、気持ちが折れるとかはまったくありません。2024年も、自分にとって9試合中6試合が未体験のフィールドで開催される。こんなに贅沢なことはないので、試合とプラはもちろん、オフリミットも開催地に近いフィールドに1日でも長く浮いてバスフィッシングを探求したい。第2戦以降も日々全力でバスフィッシングと向き合います」

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2/1~3 B.A.S.S.オープン第1戦 レイク・オキチョビ結果 

001位 スコット・マーチン 90lb.06oz.

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136位 北 大祐      18lb.09oz.

156位 宮崎友輔      15lb.08oz.

185位 青木 唯      12lb.05oz.

192位 小池貴幸      10lb.10oz.

193位 藤田京弥      10lb.01oz.