Ultimate 12月22日号

特集

PLAY BACK 2017!

今年ブレイクしたタックルとともに。

 

 早いもので今年も残りわずか。一週間少々で新しい年がやってきます。本当に月日の経つのは早い。2017年はあっという間に過ぎ去ろうとしています。それだけバスフィッシングの世界では様々な出来事が矢継ぎ早に起こったといえます。

このアルティメットでもたくさんのDAIWAメンバーに登場していただき月に二回、規則正しくシーズナルな話題をお届けしてまいりました。

そこで今回は2017年最後のUPに際して、読者の皆様から注目された話題、脚光を浴びたタックルを振り返ってみたいと思います。

 

●平川皓也プロ、W.B.S.年間2勝! 

 

 今年のアルティメットをもっとも賑やかにしてくれたのは平川皓也プロでしょう。年間5戦のW.B.S.レギュラートーナメントに2勝してしまったのですから、登場回数が多いのも当然です。 

優勝したのは3月に行われた初戦と8月の最終戦。3月の第一戦は激渋のコンディションのもと、3本のナイスキーパーを絞り出し、最高のスタートを切りました。この勝利をもたらしたのが以下のシステム。それぞれのリグで1本ずつ魚を獲ったのですが「コンフィデンスを持てるタックルだからこそ、難しいバイトもとれた」と語っていたのが印象的でした。

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優勝の瞬間、珍しく感情を吐露した平川プロ

Tackle1

Rod:クロノス661MB

Reel:アルファスSV105SH

Line:スティーズフロロ タイプフィネス10lb

Rig:ヘビーダウンショットリグ

 

Tackle2

Rod:スティーズ ハスラー

Reel:SS SV 103SH

Line:スティーズフロロ タイプモンスター16lb

Rig:テキサスリグ

 

Tackle3

Rod:スティーズ ウエアウルフ

Reel:アルファス Air 7.2R

Lure:ネコストレート5.8

Line:スティーズフロロ タイプフィネス10lb

Rig:ネコリグ

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3月という厳ししい時期に3本のナイスバスを獲らせてくれた3タックル

 

 そして8月に行われた2デイの最終戦はトータル10kgオーバーの堂々たる優勝。時期的に釣れる試合になったのは確かですが、プレッシャーが高い霞ケ浦水系でリミットを揃えるのはたやすいことではありません。 

そんな試合で平川プロは初日、二日目とも霞ケ浦全域を回り「丁寧の上にも丁寧な釣り」で両日ともリミットメイク、2017年の掉尾を飾ったのです。

 本人はお立ち台で「普通のことをしていただけ」と謙遜していましたが、釣り場に応じてシンカーの種類、重さを変えるなど細かなワザを駆使して、他のチームが釣れなかったスポットでもバイトを獲っていったのです。

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優勝がコールされだ瞬間、赤羽プロ、橋本プロから祝福を受ける

 

Tackle1

Rod: DAIWA タトゥーラ6101MXB

REEL: DAIWA タトゥーラSV TW 7.3R

LINE: DAIWA モンスターブレイブZ 18lb

RIG: テキサスリグ5g

 

Tackle2

Rod: DAIWA スティーズ 701MH/HFB ハスラー

REEL: DAIWA タトゥーラSV TW 7.3R

LINE: DAIWA モンスターブレイブZ 20lb

RIG: テキサスリグ10g

 

Tackle3

Rod: DAIWA エアエッジ 661MHB

REEL: DAIWA タトゥーラSV TW 7.3R

LINE: DAIWA モンスターブレイブZ 18lb

RIG: ノーシンカー

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●草深幸範プロ、A.O.Y.に!!

 平川プロと同じように、いやそれ以上に印象に残っているのが草深プロのA.O.Y.獲得。2012年に一度獲得していますから二度目の快挙ですが、当時と比べて選手の技術的レベルも上がり競争も厳しくなっているので、年間チャンピオンの座を射止めるのはさらに難しくなっています。 

そんな中でのA.O.Y.獲得。2017年は草深プロにとって飛躍の年だったといえましょう。

その原動力を本人は「メンタル、知力、装備が備わっていたから」と語っていましたが、とくにタックル面での充実を「それぞれの釣りにおいて、ロッドとリールのベストバランスを組めたことが非常に大きかった」と力説していました。

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W.B.S.の吉田チェアマンから表彰される草深プロ

 

「一番活躍してくれたロッドはやっぱりキャロライナリグのストライクフォース=STZ-721MH/HXB-SVでしょうか。今年一年間、フロントデッキから仕舞われることがない超エースでした。ですが、後半に活躍した巻きキャロでのエアエッジ(プロト)のソリッドティップも印象に強いですね。

あとは初戦で貴重な1本をもたらしてくれたパワーフィネスロッド、ブラックレーベルプラス701HRSですね。カバーの中からバスを引っ張り出すことができたのは、ロッドのおかげとしかいえません。これらのタックルが、それぞれ持ち味を100%生かしたパフォーマンスを演じてくれました」と語ってくれました。

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草深プロは9月のW.B.S.オープン戦にも勝ちました。その時のウィニングタックル ストライクフォース(手前)とエアエッジ(プロト)

 

そして草深選手はA.O.Y.の勢いを持続させて2017WBSジャパンオープンにも圧倒的なウェイトで勝利しました。

草深チームのゲームはスタート直後、気になっていた川尻の木ジャカに寄り、5分でビッグフィッシュ賞に輝いた2060gを獲り、その後、和田の浚渫に移動してナイスキーパーを重ねたというもの。

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草深プロはA.O.Y.獲得に続いてW.B.S.オープンも制しました。まさに2017年は同プロにとって飛躍の年になりました。

この勝利に貢献したのもDAIWAのタックル。草深プロはこう振り返ります。

「テキサスリグでビッグフィッシュを獲ったのは川尻のストラクチャーですが、使用したロッドがソリッドティップ。ペグ留めしていないシンカーが落ちて、その後ルアーがフォールする。そこで喰ってきた魚のバイトにソリッドならではの感度の良さで瞬時に反応できました。ソリッドといってもペナペナの軟らかさではないのがミソで、適度な硬さがリグの動きを正確に伝えてくれます。

ソリッドの感度はチューブラーとは別の「もう一つの感度」というべきもの。ロッドティップがルアーの重さの違いを微妙に感じ取ることができるので、それを生かした釣りが出来るのです。ですからストラクチャーやボトムを絡めた繊細な釣りが可能になり、スタックしかかっても、それを感じ取り「ぬるっと」オートマチックに外すことが出来るのです。そういう釣りはソリッドティップだけに出来る技です」

 

W.B.S.オープンでのテキサスリグのタックルは

ROD:エアエッジ671MB-ST(プロト)

REEL:スティーズ SV 103HL

LINE:18lb

LURE:クロー系ワーム

SINKER:5g

 

キャロライナリグのタックルは

ROD:スティーズ ストライクフォース

REEL:STEEZ LTD. SV 105XH

LINE:14lb

LURE:ホッグ系ワーム

 

 

 

●赤羽プロも勝ちました!

 W.B.S.といえば赤羽プロも7月に行われた灼熱の第四戦に勝利しました。水通しがキーになる夏の試合ですが、まったくカレントが効かない状況では自ずとクワセの能力か問われます。

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渋い試合になるとベテランの技術と研ぎ澄まされたタックルがモノをいいます

 

 そんな試合では「キモはタックルバランス」と赤羽選手がいうように、最新のタックルを投入した成果が出たともいえましょう。

水温30℃は魚にとってベストとはいえなく、それゆえバイトもディープなものではありません。微かなバイトも感じ取れるタックルの感度、掛けた魚を逃さないラインの信頼性などが問われたのです。

タックルデータにもあるように、赤羽選手は軽くて感度がいいロッド、軽いリグを気持ちよく投げられる立ち上がりのいいリール、エビ食いのバスにマッチするプロトのワーム、刺さりのいいフック。巻かれても耐えてくれるラインなど、最新タックルのポテンシャルを駆使して成績に結びつけました。

勝利は同選手の実力がもたらしたものに間違いありませんが、完璧にシステムされたタックルも一役を担ったといえましょう。

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レーシングデザインの感度が炸裂した試合でした


Tackle1
Rod: DAIWA STEEZ RACING DESIGN 681M/MLFB
REEL: DAIWA SS-Air
LINE: DAIWA STEEZ フロロ タイプモンスター12lb
LURE: STEEZ プロトタイプワーム
RIG: ダウンショットリグ7g (ステイーズフック

 

●泉和摩ブロ、JB桧原のA.O.Y.に!

 

目をJBに転じてみれば、泉和摩プロもベテランの味を余すところなく発揮して、ビッグタイトルを獲得しました。9月17日に行われたJB桧原湖第四戦を16位でフィニッシュした同プロは、この試合で85ポイントを獲得。その結果、今年のJB桧原湖年間チャンピオンに輝いたのです!

これはライトラインの釣りに卓越した泉プロが、それぞれのリグにベストパフォーマンスを演じてくれるタックルを使っているということ。だからこそ、年間通して安定した選手だけが獲得することのできるA.O.Y.に輝いたといえます。

泉プロを桧原湖王者に持ち上げたメインのタックルは

ロッド:ブラックレーベル 681ULFS

リール:イグニス タイプR 2505

「フィネスに特化したリールと68という長さが桧原湖のライトキャロにベストなロッドの組み合わせです。とくにロッドのしっかりしたバットと吸い込みの良いティップが、10メーターのディープでのバイトを教えてくれました。最終戦は中層高速ドラッギングにこのシステムがベストでした」

とのこと。

ますます元気なベテンの泉プロでした。2018年のトップ50でも健闘を期待します。

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  今年獲得した数々の盾を前に、桧原湖A.O.Y.タックルを持つ泉プロ

 

●川村光大郎氏も目立ち過ぎるほど目立ちました

 

印象に残るといったら川村光大郎も負けてはいません。6月11日、W.B.S.トーナメントと同時開催されているオカッパリイベント「グランドチャンピオン・トーナメント(通称グラチャン)」にゲストとして参加して、なんと優勝してしまったのです。それも終了ギリギリにキロアップを釣ってしまうという離れ業。これには同時に参加していた折金一樹氏も唖然。  

実は川村光大郎氏は若かりし時代にこのグラチャンに参加していて、2年連続A.O.Y.に輝いたほどのキャリアを持っています。ですからこの時も自分で参加費を払ってガチで勝負したわけです。実はオリキンと川村光大郎氏の最初の出会いもこのイベントだったのです。 

土浦新港内だけで行われるグラチャンは,はっきりいって爆釣のイベントではありません。それだけになんとかして喰わせようという工夫が生まれ、結果的に釣りが上達するのです。

この時も川村氏はライトキャロというフィネスなワザを使って最後の最後に魚に口を使わせました。

 ちなみにこの時のタックルは 

ロッド:キングボルトFスペック=STZ641LFS-SV

リール:Steez spinning Type2

 ライン:Steez フロロ タイプフィネス4lb

 「最強のクワセのシステムはこれだ」という組み合わせですね。

 トーナメントの後はオリキンと二人でトークショーも行い、約100名の参加者に絶大にアピールしていました。

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ラスト5分でのキロアップ!! 今思い出しても鳥肌が立つシーンでした

 

 川村光大郎氏が目立ったのはこの時だけではありません。11月3日に行われたアメリカンドリーム・トーナメントでも草深プロと組んで優勝したのです。

 メインエリアは古渡でしたが、増水したカバーの奥に軽いルアーを入れて中層をリトリーブさせて魚に気づかせて口を使わせた……そういう釣りでした。貢献したのがプロトのSTEEZ「キングバイパー」というロッド。「強いロッド、太いライン、重いルアー」という既存のカバーフィッシングの概念を打ち破る釣りを実現させてくれたのです。

 6フィート11インチのこのロッドはヘビーアクションのスローテーパー。硬いけど根元まで入るのです。だから軽いリグをカバーの奥に入れることができたのです。しかも軽い!シングルキャストも楽勝の軽さは高弾性SVFナノプラスを使っているから。といってもキンキン過ぎる弾性ではありません。粘り腰があるスローテーパーです。

 もちろん、このロッドはカバーフィッシングだけのためのロッドではありません。スローテーパーのクッション性を生かしたビッグベイトの釣り、粘り腰がある弾性を生かしてPEラインを使ったフロッグなどにも適しています。

 このロッドを駆使して川村チームは3本のグッドサイズを獲り、並み居る強豪を尻目に堂々の優勝を遂げたのです。

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「キングバイパー」の能力を最大限に生かして「アメドリ」に優勝した草深・川村チーム

 

●寡黙なオリキンも印象的でした

 

6月、オリキンが亀山湖でロクマル(60センチ3530g)をキャッチしたというニュースは爆発的に話題になりました。

魚を掛けてからは若干パニックったようですが、本人いわく「タックルのおかげで獲れた」とのこと。

ロッドはブラックレーベル+6101MFB。「枝越しでもしっかりバイトを伝え、分厚いあごにフックを貫通させた一瞬のパワー。そしてファイト中も水面際で常にロクマルをキープしてくれたバットトルク。アタリが微妙な伝わり方であったり、フックアップが甘かったり、もし潜られていたら、ロクマルはキャッチできていなかったと思います」

とはオリキンのロッド解説。

 続いてリール評です。

「リールのスティーズA TW1016SHLは何の負荷も感じず、いつも通りのフッキングのサポートや枝越しにキープしながらのリーリングが可能でした。ひょっとして違う小さい魚が喰ってしまったのかと、一瞬錯覚させるほどでした」 

ラインにも言及してくれました。

「新しくなったモンスターブレイブZ16lb。ストレスを感じさせないしなやかさが16lbをノーシンカーに使用させてくれたことも大きかったといえます。

というわけでオリキンには2018年も彼らしい話題を期待しましょう。

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皆さんも2018年は房総リザーバーでこんなモンスターを狙ってみませんか!

 

●レギュラー陣も大活躍

 以上の他にも関西ビッグレイクの旬な情報を熱心に提供してくれた三村和弘氏や「ローカルの鬼」山口将司氏など、バラエティーに富んだキャラクターがアルティメットを盛り上げてくれました。

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いつも関西弁が決まっていた三村プロ

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プロも認める釣りウマの山口さん

 

 

●やっぱり「世界の~ですね

 

 2017年B.A.S.S.に再チャレンジした並木敏成プロ。9月にはノーザンオープンのダグラスレイク戦で7位と、堂々のシングルフィニッシュを果たしました。さすがですね。2018年もさらにスケールアップしてアメリカのトーナメントを闘うようです。期待しましょう。

 並木プロも2017年、アルティメットにたくさんの話題を提供してくれました。

 4月に行われたW.B.S.第二戦にはゲストとして顔を見せ、トークショー、キャスティングレクチャーなどで久しぶりに日本のファンにその存在をアピールしました。とくにキャスティングのデモンストレーションに関しては時間をオーバーする熱演、このテクニックに関しては氏の右に出るものはいませんね。

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現場で見るキャスティングは圧巻です

 

 そして9月30日、10月1日の二日間、佐原で行われたバサー・オールスタークラシクでは堂々4位に入賞して貫禄を見せつけ、イベントを大いに盛り上げました。

 とくに今回はAbema TVで2日間完全ライブ中継されたとあって、世界中が「マシンガン」並木のパフォーマンスに酔い痴れました。

 試合後もその映像を見ることができましたので、たくさんの人が一日9時間の録画を穴が空くほど見たことでしょう。

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いまだに鮮烈な残像が残っている2017年のオールスターにおける並木プロ

 

●「やぐっちゃん」の一押しタックルは?

 

PLAY BACK 2017をまとめるにあたって、一年間一生懸命に霞ケ浦ネタを送ってくれた「やぐっちゃん」にも聞いてみました。

「あらためて1年を振り返ると様々なタックルでバスを釣ることが出来ました。今年はトーナメントにも積極的に参加させていただきましたが、そんな中でブラックレーベル+661MLFB、アルファスAIR. ネコストレート5.8インチ! この霞ヶ浦における三種の神器にはかなーりお世話になりましたね!

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霞ケ浦の三種の神器、ブラックレーベル+661MLFB、アルファスAIR. ネコストレート5.8インチ

 

今年新発売したネコスト5.8インチは発売と同時に爆発的釣果をもたらし、とくにトーナメントでは『困った時の神頼み』ではなく『困る前にネコスト!』みたいな感じでした。とにかくどんな季節、どんな状況においても外すことのできないタックルでした。!キッパリ 

カバーチャターも春を中心に炸裂しました!名前の通りブッシュやクイ周りのすり抜けの良さ!スキップさせて奥から魚を引き寄せる力を持っています

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シャローカバーが多い霞ケ浦ではカバーチャターは必携アイテムですっ

 

 これらのタックルと一緒に過ごした霞ケ浦での一年間。優れたタックルを使うことが釣果への最短距離だとまとめさせていただきます。

●皆様、よいお年を!

 というわけで今年一年間、ご愛読ありがとうございました。来たる2018年もよろしくお願いいたします。皆様にとって2018年が素晴らしい一年になることをお祈りいたします。

May 2018 be a good fishing year!