Ultimate 6月24日号

W.B.S.第3戦において

橋本卓哉プロ、準優勝!

赤羽修弥プロ、4位!

  • A.O.Y.の座を虎視眈々と狙う

 去る6月11、12の2日間、土浦新港を起点に行われたW.B.S.第3戦において橋本卓哉プロが準優勝、赤羽修弥プロが4位入賞と、両選手共に年間レースにおいて貴重なウエイトを加算しました。

 W.B.S.トーナメントは今年、開幕戦から厳しいコンディションが続き、DAIWAチームの面々もスローな滑り出しでしたが、第2戦からエンジンがかかり、赤羽プロが3位、草深幸範プロが5位、そして橋本プロが7位とシングルフィニッシュを果たしました。

 そして第3戦になるとさらに加速し、前述のように橋本、赤羽両プロがベスト5に入ったのです。

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 準優勝の橋本・鯉河チーム(Photo:W.B.S.)

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 4位の赤羽・清水チーム(Photo:W.B.S.)

  • 「年間に価値あり」という橋本プロのゲームは?

 橋本プロの今年の目標はA.O.Y.、つまり年間チャンピオン。これは今年にかぎった話ではなく、同プロは毎年このタイトルを目指して日々研鑽に励んでいます。過去3回この栄誉に輝いている橋本プロですが、そのステイタスは年を重ねるごとに大きく感じられているようです。

 なぜなら、春から秋にかけて行われるバストーナメントにおいては、シーズンによる得手不得手がなく、大外ししない安定性が大切だからです。その結果、一年間で一番たくさんの魚をウェイインした選手に与えられるプライズがA.O.Y.。橋本プロはそこに最大の価値を見出しているのです。

 したがって、試合ごとの順位に一喜一憂することはありません。この第3戦においても僅差で優勝を逃したにもかかわらず、

「しょうがないです。勝ったチームが持っていただけです。逆の場合もあり得ましたから」とサバサバしていました。それよりも今回6190gというウエイトを追加したことで、年間レースにおいて大きな前進を遂げたことに確かな手応えを感じているようでした。第3戦は2デイトーナメントでしたので、6190gというと平凡な数字に見えますが、これが実はとても大きな数字で、超絶タフな中で絞り出しただけに価値があるといえます。

 それでは試合を振り返ってみましょう。

 全チームが本格的なプラに入った6月初旬から冷たい雨が続き、気温水温ともに低下した中で試合は始まりました。1日目も朝から雨、午後には止んで暑くなりましたが、その夜、大雨が降りフィールドコンティションを一変させました。多くのチームが狙っていた川筋は激濁りでノーチャンス。しかも雨予報に際して水門が解放されたので、1日目の午後から減水が始まり、2日目はシャローのボトムが見えるほどの大減水に見舞われたのです。

 そうした状況を前にして橋本プロは1日目からパターンにとらわれず、1本1本の魚を確実に獲って行くプランでゲームに入りました。1日目は、プラで何本かの魚をシェイクオフした(意図的にハリ掛かりさせなかった)本湖東岸から牛堀までを流し、それらの魚を獲りに行って2本。濁る前の園部川で1本、西浦に帰ってから1本と、トータル4本。4855gというトップウエイトで折り返しました。

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1日目のスコアボードを自撮りする橋本プロ

 ところが2日目は前述のように大減水、激濁りという悲惨な状況。橋本プロは霞ヶ浦全域を回りましたがキーパー(※30cm以上)は獲れず、頼みの古渡、小野川でジャストキーパーを2本確保するにとどまりました。ウエイトは1330g。しかし、この2本が橋本プロを準優勝に踏みとどまらせたわけで、最終的には年間タイトル争いにも影響してくるはずです。そんな意味では、プロトーナメントにおいてはすべての魚が無駄に終わることはないと言えます。

  • 準優勝をもたらしたタックルは?

 橋本プロは試合当初から「景気のいい試合にはならないから1日3本」という控えめな目標を立てました。ですからパートナーと釣り方を完全に分けました。橋本プロは3.6inのギル系ワームにSTEEZウェイテッドフックSSの#4/0(1/16oz)を装着してリアクション的に口を使わせる釣りを展開しました。対してパートナーは高比重系ワームのノーシンカーでクワセ系の釣りを推し進めるというもの。狙いの場所も橋本プロがヘビーカバーや深目のレンジ、パートナーがシャローとメリハリをつけました。一貫してチームトーナメントを行っているW.B.S.ならではのクレバーな戦略だといえますね。

「この時期はノーシンカーが定番なんですが、その釣りでは獲れない魚もいます。カバーの奥やゴミ溜まりの下に潜む魚もいるわけで、それらを獲るためにも分業作戦を展開しました」。橋本プロはこのように語ってくれました。

 この作戦が見事に奏功し、アフターに付き物のバラシは数本あったものの、前述のウエイトを稼いだわけです。

 パートナーとの分業作戦が準優勝の要因その1とするならば、その2はロッドのチョイス。

 橋本プロはSTEEZ C70H-SV・ST "FURY"を駆使して、全ての魚を獲りました。同プロが今シーズン、エースロッドとして多用しているモデルです。気に入っている点を伺うと

「とにかく使いやすいんですよ。軽さ、感度、パワー、長さ、全てが気に入っています。とくに今回の試合ではソリッドティップが実にいい仕事をしてくれました。リグは比較的重めで、リアクションバイトを誘ったわけですが、しっかりしたソリッドティップなので、ワームをアクションさせやすいし、食い込みも良い。このロッドを使っていなかったら獲れなかった魚もいましたね」

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「このシステムが私を準優勝に導いてくれた」と橋本プロ

橋本プロのタックルシステム

ROD:STEEZ C70H-SV・ST "FURY"

REEL:STEEZ LTD SV TW 1000H

LINE:STEEZ FLUORO X'LINK 14lb

LURE:3.6inギル系ワーム+STEEZウェイテッドフック#4/0(1/16oz)

 こうして渋い中でも魚を絞り出して準優勝に輝いた橋本プロは年間ランキングでも最高の位置に登り詰めました。本人の最終目標であるA.O.Y.を見据えた戦いは残り2試合。大いに期待して見守りたいと思います。

  • 赤羽プロも4位入賞

「霞ヶ浦の鬼」こと赤羽プロも第2戦の3位に続いて今回4位と連続入賞。依然として好調をキープしています。年間ランキングも橋本プロに続いて2位に付けています(公式発表ではありません)。

 赤羽プロは2日間とも本湖シャローと流入河川を回り、確実にキーパーを重ねて入賞を確保しました。とくに激浅、ドチャ濁りという厳しいコンディションに襲われた2日目にマークした3375gはこの日のトップウエイトでした。

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2日目にトップウエイトを叩き出して4位に入賞した赤羽プロ

「なんとか絞り出しました」というコメントに苦労が伺えますが、なんとか拾って帰ろうという意識が渋い試合で結果を出したと言えます。

赤羽選手のシステムは

ROD: STEEZ RD 681M/MLFB

REEL: STEEZ CT SV TW 700XH

LINE: STEEZ FLUORO X'LINK 10lb

LURE:ホグ系ルアーのダウンショット

 こうして橋本、赤羽両プロの活躍が目立ったW.B.S.第3戦でしたが、島後英幸プロ、草深幸範プロも見せ場を作ってくれました。今後にも期待したいと思います。

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本湖に流れ込む流入河川を攻めて1日目5位でスタートした島後・石井チーム。水門の奥にルアーをスキッピングで入れる島後選手のスピニングテクは圧巻でした

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本湖・西浦を攻める草深・清水チーム

速報!

青木唯、河口湖2連戦、連続優勝!

 DAIWAチームの青木唯プロは6月18日に行われたJBⅡ河口湖、翌19日に行われたJB河口湖A第2戦において、連続優勝いたしました。河口湖Aに関しても2連勝。まさに無敵の快進撃といえましょう。詳細は後日。

 ちなみにプラを行わずスポット参戦した藤田京弥プロは12位でした。これもサスガですね。

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今や河口湖では敵なしといった印象の青木プロ