Ultimate 9月9日号

特集1

その存在感、「唯一無二」。 

青木唯という新怪物

 

 河口湖におけるJBⅡ河口湖、河口湖Aトーナメントにおいて、いまや「無敵」と誰しもが認める男、それはDAIWAチームの青木唯。

名前の由来は「唯一無二の男に育ってほしい」というご両親の願いだそうですが、河口湖の両カテゴリーにおけるトーナメントに関する限り、100%唯一にして無二の男になってしまいました。

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河口湖のトーナメントにおいては「唯一無二」のプロとなった青木唯選手

 

 戦歴を見れば一目瞭然です。

  • JBⅡ河口湖

 第1戦 6月18日  3本 5,195g 優勝

 第2戦 8月20日  2本 3,350g 優勝

(パートナーは藤田京弥プロ、準優勝は北見真人プロ)

 

  • JB河口湖A

 第1戦 3月27日  3本 4,655g 優勝

 第2戦 6月19日  3本 6,120g 優勝

 第3戦 8月21日  3本 5,460g 優勝 (藤田京弥プロは5位)

 このように全戦優勝しており、勝率は驚異の100%。JBⅡ河口湖、JB河口湖Aともに9月17、18日に最終戦が控えていますが、そこを連勝したら空前にして恐らく絶後の完全優勝という偉業を達成することになります。

 すでに8月21日に達成した河口湖Aにおける3連勝自体、前人未到の大記録。それだけでも強烈なインパクトがあるのに、最終戦にもっと大きな期待を抱かせるあたり、問答無用の唯一無二。凄まじささえ感じさせる存在感です。

 今回はトップ50のプラの間隙を縫って青木プロにお時間をいただき、ご本人に残り試合連勝の可能性を伺ってみました。すると

 「いやー、そう簡単には行かないと思いますよ」

 といつものように控えめな答えが返ってきましたが、やってくれそうな雰囲気アリアリでした。

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JBⅡ河口湖第二戦では藤田プロと組んで優勝しました

 

  • いったい何が違うのか! 

 河口湖における青木プロのストロングポイントはライブスコープシューティングの釣り。その点は自他ともに認めるところでしょう。多くの魚をその釣り方で獲っています。8月20、21日の連勝も同じです。多くのプロもその釣りを実践しています。しかし、そんな中で青木プロは前述のように頭一つ抜け出した結果を残しているのです。

 その違いは何か?

 編集部は大胆にもその質問を青木プロに直接ぶつけてみました。ご本人としてはかなり答えにくい質問です。すると青木プロはしばらく考えてから、こう答えてくれました。

「強いていえば効率を追求しているからじゃないですか? ライブスコープシューティングの釣りに関して僕が一番心がけていることは、効率の良さです。ライブスコープを駆使すると、肉眼のサイトよりは多くの魚に出会えます。そうして見つけた魚にアプローチするわけですが、皆さんが20本の魚にアプローチするのなら同じ時間で40本の魚にアプローチする。僕はその数にこだわっています。当然、釣れる可能性は高まります。確実に釣果に反映します」

 青木プロは続けました。

 「その場合、食わない魚はキッパリ見切ることが大切です。そうでないとアプローチ数を増やすことはできません。ですから僕は1本の魚に長い時間を費やすことはしません。さっさと他の魚に狙いを変えます。そのためにたくさんの魚を見つける必要があるのです」

 青木プロの説明は確かに理に適っています。しかし、サイトフィッシングにおいては粘って獲るという発想もあるのではないか? その問いに対する答も実に理に適っていました。

 「僕は同じ魚を狙い続けて食わせた経験はほとんどありません。というのは長い間シューティングの釣りを経験してわかったことがあるからです。それは魚が一回ルアーを見たら、その時点で釣れる確率は50%ぐらいに落ちるということです。そしてその確率はルアーを見せるたびに落ちる。ですから食わない魚には早目の見切りが大切だというわけです」

 しかしそこには例外もある、と青木プロはいいます。

 「ですが『この子(魚)はチャンスだ』と思ったらルアーを変えたりして何度かアプローチします。それでも釣れた経験は多くはありません。とにかく諦めは早い方がいいです」

 と青木プロは見極めの重要さを力説しました。青木プロが河口湖の試合で毎回必ず魚を持ち返ってくる秘密がわかったような気がしました。

 

  • テクニックはそれほど必要ない?

 そして青木プロはまとめに入りました。

 「というわけでこの釣りに大切なのはたくさん魚を見つけて効率よくアプローチすること。テクニックなどはその次の話です。ていうかそれほどテクニックが必要な釣りではありません。この前の河口湖Aなどは典型でしたが、タイトなキャスティングなどは必要ありませんでした。魚にルアーを見つけてもらえばいいだけです」

 ちなみに青木プロはゲームに入る際、ある程度の釣れ方を予測し、ウェイトの計算をすることはするようですが、具体的なプランなどは立てず、とにかくデカイ魚を目指してMAXなウェイトを追い求めるのがスタイルだとか。こんなところにも勝負師としての姿が垣間見えます。

 最後に青木プロはタックルに関しても言及してくれました。

 「そして一度掛けたら思いっきりフッキングでき、確実に獲れるタックルの信頼性も大切です。具体的にはジリオンSV TW 1000XH、ラインがスティーズフロロ X'LINK。一切の不安なしに釣りに専念できるのも、これらのシステムがあるからです」

青木プロがライブスコーブシューティングの釣りを極めたのはまったくの独学とのこと。お話を伺ってみると、意外と簡単に釣れるような印象を受けますが、そこには長年の研鑽によって培われたノウハウがあるはず。だから勝ち続けることが出来ているのでしょう。

というわけで今回は青木唯プロの強さの秘密を垣間見ることになりました。

同プロはこれからますますパワーアップするはず。残りの河口湖戦、そしてトップ50の次戦がますます楽しみになって来ました。

 

特集2

JBⅡ河口湖で

青木プロに20g差まで肉薄したのは、

DAIWAチームの北見真人プロ 

 前段で若干触れましたが、8月20日に行われたJBⅡ河口湖戦で、青木唯・藤田京弥という怪物ペアにわずか20gという僅差で準優勝に輝いた選手が、何を隠そう北見真人プロ。昨年DAIWAチームに加わったばかりですが、トーナメントキャリアも長いプロです。

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青木唯、藤田京弥という二人の怪物に20g差に迫った北見プロ。これからの活躍が期待されます

 

 実は北見プロは古くからキャスティングに勤務しながらJBトーナメントに参戦しており、すでに実績もたくさん積み重ねています。

今回のJBⅡ河口湖トーナメントにおいても、肉眼サイトとウィードの穴打ちという玄人好みのテクを駆使して堂々3本3330gというウェイトを持ち込み、みごと準優勝に輝いたのです。

これからも活躍が期待される選手ですので、ご声援をお願いいたします。 

タックルデータ

[ダウンショット用]

ROD:リベリオン 641UL/LXS

REEL:バリスティック FW LT 2500S-C

LINE :スティーズフロロ クロスリンク3lb

[ヘビーダウンショット用]

ROD:リベリオン 671L+FB

REEL:スティーズ AIR 500XXHL

LINE:フィネスブレイブZ 10lb

[ワンフックアラバマ用]

ROD:ブレイゾン C611H-SB

REEL:スティーズ A TW 1016SHL

LINE:モンスターブレイブZ 18lb

 

 

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